ぎおん福寿さんで、季節を味わうひととき
久しぶりに「ぎおん福寿」さんへ。
こちらに伺う楽しみは、旬の素材を味わうことはもちろん、料理が一品ずつ運ばれてくるたびに、その器や盛り付けまで楽しめること。今回も、最初から最後まで季節を感じさせる料理が続きました。

まずは、涼しげなガラスの器に盛られた一皿から。鴨でしょうか、きれいな火入れの肉に、夏らしいトマトや青味を添え、煮こごりのような一品も合わせられています。透明感のある器と料理の色合いが美しく、これから始まる食事への期待を高めてくれます。

続く椀物は、やさしい色合いの汁の中に、存在感のある食材と青味が添えられた一品。見た目はとても静かですが、こうした料理ほど出汁や素材そのものの味わいが印象に残ります。

お造りは、赤身と白身を取り合わせた盛り合わせ。余計な飾りを加えず、魚そのものの色艶と美しさを楽しませてくれる盛り付けです。水色の器との取り合わせも涼やかで、夏の京都らしい一皿に感じました。

焼物でしょうか、野菜を巻き込んだ料理は、切り口まで美しく仕上げられています。料理は味だけでなく、箸を入れる前の姿も大切なのだと感じさせてくれる一品です。
さらに、白身魚に細く刻んだ香味野菜をたっぷりと添えた一皿。淡白な魚に、薬味の香りや食感が加わり、さっぱりといただけます。料理が進むにつれて味わいに変化が生まれ、次の一品へ自然と箸が進みます。

そして締めには、香ばしく焼かれた鰻をご飯とともに。艶やかな鰻の照りと香ばしさ、そこにご飯が合わさると、やはりうれしいものです。会席の終盤にしっかりと満足感を与えてくれました。

最後は、ガラスの器に盛られた涼しげな甘味。瑞々しい果物とやさしい甘さが、それまでの料理の余韻をすっきりと整えてくれます。
「ぎおん福寿」さんのお料理をいただいていると、旬の素材を生かすこと、器を選ぶこと、美しく盛ること、そして食べる人に季節を感じてもらうこと――そのすべてが日本料理なのだなと改めて感じます。
華美になりすぎることなく、一品一品にきちんと仕事が施され、最後までゆっくりと楽しめる料理。
今回も、おいしい料理とともに、心地よい時間を過ごすことができました。
ご馳走さまでした。
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