「ハレ箸」と「日常箸」― お箸を使い分ける豊かな暮らし
私たちは毎日、当たり前のようにお箸を使っています。朝ごはん、昼ごはん、夕ごはん。考えてみれば、お箸は日本人の暮らしの中で、最も身近な道具のひとつです。だからこそ箸や楓では、お箸を単なる「食べるための道具」としてではなく、食事の時間を楽しみ、暮らしを少し豊かにしてくれるものとして考えたいと思っています。そこで提案したいのが、まず特別な日のための「ハレ箸」を一膳持つこと。お正月や誕生日、結婚記念日、家族のお祝いなど、人生にはいつもとは少し違う「ハレの日」があります。そんな日にお気に入りの器を出したり、少し良い料理を用意したりするように、お箸も特別なものに替えてみる。いつもの食卓でも、お箸を替えるだけで自然と気持ちが整い、「今日は特別な日」という小さな高揚感が生まれます。
そしてもうひとつの提案が、日常使いのお箸を二膳持つことです。毎日同じお箸を使うのではなく、その日の料理や器、季節、そして自分の気分に合わせて二膳のお箸を使い分ける。今日は和食だからこちらのお箸、明日は少し華やかな料理だからこちらのお箸。春には明るい色合い、秋には落ち着いたものを選ぶ。そんな何気ない「選ぶ楽しみ」が、毎日の食卓に小さな変化を生み出してくれます。洋服をその日の予定や季節に合わせて選ぶように、器やお箸も料理に合わせて選んでみる。そうすると、いつもの料理も少し違って見えてきます。高価な料理を食べることだけが、豊かな食生活ではありません。いつものご飯、いつものおかずであっても、お気に入りのお箸を選び、器との取り合わせを楽しみながら丁寧にいただく。その時間そのものを楽しむことも、食生活の豊かさではないでしょうか。
特別な日には、一膳の「ハレ箸」。
毎日の食卓には、使い分けを楽しむ二膳の「日常箸」。
一人が三膳のお箸を持ち、ハレの日と日常、その日の料理や気分によって使い分ける。それは、お箸をたくさん持つことを勧めたいのではありません。お箸を選ぶことをきっかけに、料理を楽しみ、器を楽しみ、季節を感じ、そして食卓を囲む時間を大切にしてほしいという提案です。毎日使うものだからこそ、少しこだわってみる。お箸が変われば、食卓の景色も少し変わる。食卓が変われば、毎日の食事が少し楽しみになる。
「ハレ箸一膳、日常箸二膳。」
箸や楓は、お箸を使い分けるという新しい習慣を通して、日本の食文化を大切にしながら、毎日の食生活をより楽しく、より豊かにする暮らしを提案していきたいと考えています。



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