蝉蒔絵 ― 静寂の中に宿る、再生と飛躍の願い
蝉蒔絵箸
夏の訪れを告げる蝉。その力強い鳴き声は、日本人にとって季節の風物詩のひとつです。
今回ご紹介する「蝉蒔絵」は、そんな蝉の姿を蒔絵と螺鈿で表現した一本です。深みのある木地に金彩で描かれた葉の間から、今まさに飛び立とうとする蝉の姿が現れます。羽には螺鈿を用い、角度によって青や緑の美しい光彩を放つことで、生命の輝きと自然の神秘を感じさせる意匠に仕上げました。
蝉は長い時間を土の中で過ごし、何度もの脱皮を経て成虫となります。その姿は古くから「再生」「成長」「飛躍」の象徴とされ、新しい人生の始まりや大きな転機を迎える人々を励ます縁起の良い存在として親しまれてきました。
また、蝉は限られた時間を精一杯生きることから、「今を大切に生きる」という意味も感じさせてくれます。忙しい日々の中で何気なく手にするお箸ですが、その一本に込められた物語や願いに思いを巡らせることで、食事の時間がより豊かなものになるのではないでしょうか。
金彩で描かれた葉は、夏の日差しを受けて輝く木々を思わせ、そこに佇む蝉の姿は静かな自然の情景を映し出しています。華やかさの中にも落ち着きがあり、使うほどに愛着が深まる意匠です。
新たな挑戦を始める方への贈り物としてはもちろん、人生の節目を迎えた方への祝福の品としてもおすすめしたい一膳です。進学や就職、転職、開業など、新しい一歩を踏み出す方へ「大きく羽ばたいてほしい」という願いを込めて贈るのも素敵です。
箸や楓では、伝統的な蒔絵や螺鈿の技法を通して、日本の自然や文化、そしてそこに込められた想いをお箸という身近な道具に表現しています。
毎日の食卓で使うものだからこそ、美しさだけでなく、使う人の心に寄り添う物語を大切にしたい。「蝉蒔絵」には、そんな願いが込められています。





関連情報
晴れの日のハレ箸 - 箸や楓 (hasiyakaede)
「衣服に晴れ着があるように、お箸にも晴れの日に使う晴れ箸」があってもと考えています。日本には、お正月にはじまりクリスマス、その他にも誕生日、結婚記念日など、それぞれの晴れの日が考えられます。箸や楓の思いは、普段着と晴れ着があるように、箸にも普段使いの箸とそんな晴れの日に使う「ハレ箸」があってもよいのではということです。
| 屋号 | 箸や楓 |
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