世界観のある料理
秋の深まりと新たな趣向
最初の一皿は、柿の器に盛られた美しい先付。中にはイクラの艶やかな朱が散りばめられ、秋の実りをそのまま閉じ込めたよう。器は紅葉の形をした皿、まるで“秋そのもの”が食卓に降りてきたかのようでした。
椀物は、透き通る出汁に蓮根を浮かべた一品。蓮根の白と香り高い出汁の組み合わせが、心を静かに落ち着かせてくれます。蓋を開けた瞬間に立ちのぼる湯気が、まるで秋の朝霧のようでした。
お造りは、鯛、鰹、ハモなど旬の魚がそれぞれの表情で登場。繊細な包丁仕事と盛り付けの美しさに、思わず見とれてしまうほど。どの魚も旨味が際立ち、器の上に小さな海の景色が広がっていました。
続く八寸では、鯖寿司や胡麻豆腐、白和えなど、京都らしい手仕事が光ります。錦秋のもみじが添えられた器の上で、季節の彩りが重なり合い、一品一品に職人の遊び心が感じられました。
土鍋から立ち上る松茸の香りに包まれた秋の主役です。松茸と鶏つくねの旨味が出汁に溶け込み、思わず箸が止まらなくなる一品でした。
締めは香ばしいおこげが香るご飯。山の幸とともに炊かれたご飯の優しい味わいが、コース全体を穏やかに締めくくってくれます。
そしてデザートには、和の要素を感じるアイスクリーム。果実や寒天が彩りを添え、食後の余韻を静かに整えてくれました。







あい田さん、ご馳走様でした。
関連情報
晴れの日のハレ箸 - 箸や楓 (hasiyakaede)
「衣服に晴れ着があるように、お箸にも晴れの日に使う晴れ箸」があってもと考えています。日本には、お正月にはじまりクリスマス、その他にも誕生日、結婚記念日など、それぞれの晴れの日が考えられます。箸や楓の思いは、普段着と晴れ着があるように、箸にも普段使いの箸とそんな晴れの日に使う「ハレ箸」があってもよいのではということです。
| 屋号 | 箸や楓 |
|---|---|
| 住所 |
〒605-0826 京都府京都市東山区桝屋町362番地12 |
| 営業時間 | 11:00~17:00 |
| 定休日 | 木曜日 |
| 代表者名 | 橋本 良介 |
| info@hasiyakaede.com |